イギリスのモスク(イスラム教寺院)が見解に反して、今年のラマダン期間中の仮想通貨による寄付の受け入れを決定した事を地元メディアが伝えました。

ロンドン東部のダルストンにあるシャックルウェル・レーン・モスク(別名マスジド・ラマダン)は、地元のブロックチェーンスタートアップ企業「コンボ・イノベーション社」と提携し、ラマダン中の慣例である喜捨(施し)を受けるため、Bitcoin(ビットコイン)とEthereum(イーサリアム)のウォレットを設置しました。

今回仮想通貨による寄付を受け入れたのはトルコ人が所有しているイギリスで唯一のモスク「シャックルウェル・レーン」では、仮想通貨をイスラム教とは相容れないと断定したイスラム教の学者やトルコ政府の決定に反しました。

イスラム教の誰もが認めている解釈というわけではないものの、仮想通貨はグローバルな特性を兼ね備えている為、イスラム教徒が利用するのに適していると考えている教徒も一定数存在します。

イスラム教に準拠したブロックチェーン金融ソリューションを提供したコンボ社のガーミット・シンCEOは、仮想通貨に対して寛容な立場の一人で、次の様に語っています。

もし世界の人口の４分の１を占めるイスラム教徒が、ビットコインのわずか１％（10億4000万ポンド＝1523億6000万円）を保有すれば、喜捨による寄付は2600万ポンドになる

経済的に余裕のあるイスラム教徒は、ラマダン中に富の2.5%を寄付する事が義務付けられています。
今回仮想通貨による寄付の受け入れを決定したモスクは、建物の修繕の為に約1万ポンド(約150万円)が必要との事ですが現在までに約20万円の寄付が集まっているとの事です。