インターネットが一般化したのは確か2000年に入ってからだと思いますが、携帯電話の高性能化に伴って一般層にまで広がり、情報源としてSNSを利用する人も多くなりました。
最近ではインスタ映えという単語が流行語になったり、SNSを意識したマーケティングには様々な企業が力を入れているわけですが、大手企業が続々と仮想通貨の広告掲載を禁止すると発表しています。
先日、Facbookとその傘下のInstagramや検索大手のGoogleが仮想通貨の広告に規制をかけたばかりですが、それに続いてTwitterも仮想通貨の広告に規制をかける事になり、騒然としています。
【サンフランシスコAFP=時事】米ツイッターは26日、新規仮想通貨公開(ICO)や仮想通貨の広告を禁止すると発表した。これを受けてビットコインの価格は8%下落し、8000ドルを割り込んだ。
引用:Bloomberg
言ってしまえば仮想通貨を盛り上げる流れに水をさす方針ではありますが、ICOと称したどうしようもない案件があるのも事実なので、ユーザーを保護するという立場から考えれば当然と言える措置でもあります。
でも何が問題なのか?と言われたら、わたしはそのせいでビットコインが下落した事が一番許せなかったりします!
Googleはどんな規制?SNS各社、Facebookは? Instagramは? そしてtwitterは?
Googleの規制は?
Googleの規制は、広告を出す側と広告の対象になる国の金融当局の認可を得る事と、ランディングページが「AdWords」のポリシーに準拠しているかが必要条件になります。
FacebookとInstagramの規制はなんぞ?
世界最大のSNSであるFacebookとその傘下で「インスタ映え」が流行語にもなったInstagramは共に、仮想通貨に関する広告、新規仮想通貨公開やICOの禁止を発表しています。
Facebook広告が新しい商品やサービスの情報をお届けするときに、嘘や詐欺ではないかと利用者を不安にさせてしまうことを防ぐためです。残念ながら、バイナリーオプション、ICO、仮想通貨について、誠実とはいえない宣伝をしている企業が多数あるのが現状です。
こういった文言がある様に、実情・比率がどうあれ仮想通貨関連に詐欺案件等がのさばっている事自体はFacebookも把握しているという事です。
但し今後ずっと禁止というわけではなく、虚偽・詐欺広告を発見する対策が出来るまでは、という事なので、今後の技術次第では広告掲載再開もあり得るという事です。
twitterの規制は?
twitterは各国毎に規制内容を書いているので、今回は日本の規制にのみ焦点をあてますが、
・銀行、証券、外国為替、仮想通貨為替取引、および保険の広告主様は金融庁の許可が必要です。 クレジットカードの広告主様は日本クレジット協会に所属している必要があります。 広告を掲載するには、事前にTwitterによる承諾を得る必要があります。
・金融データ集約サービスは制限されています。
という二つの項目が存在していますが、実際は全面的に完全に禁止というわけではなく、ある程度のハードルを越えれば掲載は可能という事になります。
3社の規制内容を見ればわかる通り、規制というよりは完全放置だった市場にルールを設ける、ないし安全策が講じられるまでは停止するという当たり前の様な事を実施しただけですね。
となると、この規制は永遠に続くわけではなくある程度の策を講じる事が可能になれば解除される可能性は十分あると言えます。
なぜ規制をする必要があるのか? 考えてみた
第一に、仮想通貨に関しては詐欺や、誤解を招く表現を使った広告が多い事が挙げられます。
その中でもICO(新規仮想通貨公開)についてはまだ法整備が追いついていない事で、詐欺コインと呼ばれるようなプロジェクトが多く出回っている事が問題視されています。
Token Dataというサイトの統計では、ICOの成功率は約48%で、言うほど高くはないく、資金調達に成功する確率という意味では非常に高いと言えますが、それにより社会に対して不利益だと判断されたというところです。
例えば最近あった詐欺ICO案件の一つに「Prodeum」という物があります。
これは、リトアニアのICO案件ですが、25日に突然現れ、約7億もの資金を調達した後、28日の夕方には失踪しています。
この案件はイーサリアムを利用して果物や野菜のデータベースを構築する、という物でしたが、蓋を開けてみればただの詐欺案件だったというオチです。
この事件の驚くべきところは、詐欺案件で約7億円もの資金を集めた事にありますが、こういった事例は何も特別な物というわけでもありません。
Seele(シール)のICOの管理者を騙る詐欺師が約2億円分のEthereumをICOで集めたり、セントラリティという枠の少ないプロジェクトの枠を売るという名目でお金をだまし取る等、表に出ている情報だけでもかなりのトラブルを引き起こしています。
こういった詐欺に利用されるのは、先ほど提示した様にSNSが利用される事も少なくない為、今回規制に踏み切る形になりました。
実際の影響はどれくらい?
そして一番気になるのは、この規制による影響です。
その前に一度、今回規制をした企業がどれくらいの広告比率を持っているのかご存知でしょうか? JBPRESSによると、
年(2016年)における、グーグル(傘下のユーチューブを含む)の米国ネット広告売上高は、294億3000万ドルと、業界トップ。これにフェイスブック(傘下のインスタグラムを含む)が、123億7000万ドルで次いだ。そして両社を合わせた売上高のシェアは58.4%だった。 今年は、グーグルの売上高が350億ドル、フェイスブックが173億7000万ドルとなり、その合計シェアは63.1%にまで拡大するとeマーケターは見ている
という事ですが、世の中にいくつもあるであろうSNSでも、Facebook、グーグル、の二社だけで6割のシェアを占めているという事で、それらへの広告掲載を規制によって制限をかけられるとすれば影響はかなり強いと言えます。
実際、それらに加えてtwitterが規制を発表した事でBitcoinの価格が約8%も下落しています。
取引所でもない、SNSが規制をするだけで8%もの下落という事で、どれだけ影響が大きいのかが分かるかと思います。
規制続きの仮想通貨の将来はどうなる?
昨年の中国や韓国の規制から始まり、国単位ではなく企業単位でも規制が広まっていますが、今後仮想通貨はどうなるのでしょうか?
今回規制をしたtwitterの創業者ジャック・ドーシー氏は「ビットコインは10年以内に世界共通通貨となり、ドルを超える優勢を持つことになる」と発言しており、Facebook取締役のピーター・ティール氏も仮想通貨に対して好意的であり、見通しが暗いだけではありません。
今回の規制により短期的には暗い市場になる事は間違いはないと思いますが、詐欺案件に対する安全策などの構築も進む事が予想出来るので、長期的には健全な仮想通貨市場の構築し、市場の拡大に成功するのではないか?という予想をしています。
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