総人口2400万人という台湾で1日あたりのセッション数1000万にもおよぶ、「PTT」というサイトが存在します。
台湾版2ちゃんねる(現5ちゃんねる)とも呼ばれるPTTには、「中央機関による検閲」という大手SNSにとって共通の課題があり、検閲への対策としてブロックチェーンへのプラットフォーム移行を検討しているとの事です。
似た様な動きとは言い切れないものの、最近ではFacebookがブロックチェーンの専門チームを立ち上げる等、大手SNSがブロックチェーン活用を検討する動きがあります。
ユーザーがデータを管理
様々な事業の応用が可能なブロックチェーンですが、SNSに応用する場合は、ユーザーが自分のデータを管理してプライバシーが保てるメリットがあります。
ブロックチェーン上のデータは政府や運営者による検閲の余地がない為、ユーザーが自身の発言が削除や書き換えされる心配が無くなり、自由な発言が可能になります。
データのログが分散して保管されるので、自分のデータを勝手に利用する人がいないか監視出来る点もメリットと言えます。
デメリットも存在する
新しいデータを追加する度に整合性確認の為の「承認作業」が発生するブロックチェーンは、活発なSNS運営に適した物と言えるかは疑問が残ります。
例えばEthereum上にシステムを構築した場合、1秒に11エントリーしか捌けないので、どうしても遅延が発生する事が予想できます。
この問題を解決する為に、PTTは効率的に承認作業が実行できるIOTA上にシステムを構築して高速処理を実現しようとしています。
さらに大きな問題として挙げられるのが、EUが5月25日に施行した個人保護規則(GDPR)への準拠です。
GDPRでは、パーソナル・データの定義を「識別子を参照して直接的または間接的に個人が特定できるデータ」とかなりざっくりとした表現に収まっており、その対象はかなり広い物になっています。
ユーザーが申請する事でパーソナル・データを削除する事が可能ですが、ブロックチェーンの特性としては恒久的にデータが残るので、これはGDPRに合わせると問題が発生する可能性があります。
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