アメリカ証券取引委員会(SEC)は、詐欺的な手法で国内外から2,100万ドル(約23億円)を調達したICOに対して、裁判所から緊急差止命令を得た事を発表し、ICOを実施したチタニウム・ブロックチェーン・インフラストラクチャー・サービス社に対して資産の凍結や管財人の任命を求める要請が承認されました。
SECはロサンゼルス連邦地方裁判所に訴状の提出を行い、チタニウム社のCEOであるアラン・ストレリー氏が、連邦準備銀行やペイパル、ボーイング、ウォルトディズニーといった有名企業との取引に関する虚偽の情報を提示した事を指摘し、チタニウム社がホームページに虚偽の情報を掲載した事や、ストレリー氏がソーシャルメディアを活用して「インテルやグーグルへの投資」になぞらえてICOの宣伝を行った事を指摘しています。
SEC法執行局サイバー・ユニットの責任者であるロバート・A・コーエン氏は
「このICOは、ソーシャルメディア上のマーケティングキャンペーンに基づいており、全く架空の事業の見通しを掲載して投資家を騙した。SECは、詐欺的なICOに関連する多数の訴訟を起こし、投資家に対してこれらの投資を検討する際には特に注意するよう後押ししている」
と述べています。
SECは、ストレリー氏とチタニウム社を連邦証券法の詐欺防止や登録義務規定に違反した物として告発し、緊急差止に加えて永久的な差止と不法に得た利益に対しての利息や返還、ストレリー氏のデジタル証券の販売への参加を禁止する措置を求めています。
SECによる今回の差し止めは実は初ではなく、2018年1月に最初のICO差止をしています。
現在アメリカは仮想通貨、ひいてはICOに対して積極的に詐欺案件の取締に動いているので、今後は更に増加する事が見込まれています。 同時に規制の強いアメリカから他国へICOグループが脱出する動きも見せているので、今後はアメリカではなく他国でのICO詐欺が多発する可能性もあるので注意が必要と言えそうです。
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