世界各国でブロックチェーンの研究・応用を模索している中、勢いがすっかり奪われてしまった感のある仮想通貨ですが、ICOや日々新しい仮想通貨が発行されている事を考えると、ブロックチェーンが研究機関としてはあまりにも興味の対象として強すぎる感があるのもまた事実です。
実際、話題性としては2017年が仮想通貨元年と呼ばれた事に対し、2018年はブロックチェーン元年と言っても差し支えの無い盛り上がりを見せて、各国で開発競争が行われています。
そんな仮想通貨についてですが、「仮想通貨は決済手段として利用できる段階ではない」とする報告をロシアの分析信用格付け機関(ACRA)がまとめました。
ACRAはボラリティの高さが異常である事から決済手段として効率的ではない事を挙げ、「通貨」としての機能を果たしていないという結論に至っています。
更に、仮想通貨を利用する事で取引コストを削減出来る程の機能が無い事も指摘し、その原因としてブロックチェーンの記録速度の遅さや、スケールメリットの欠如を挙げています。
加えて、現在の仮想通貨について「通貨としての利用より、将来的な価値の高騰で売却する為に形成されている市場」という点を挙げています。
今後の仮想通貨の利用者が増加しうる要因として、経済に対する制裁強化を挙げています。
これは、最近ではベネズエラの経済危機に際し、国民がビットコインに逃避先を絞っている事に近い物であり、自国通貨・経済が不安定になった時に、資産の逃避先として仮想通貨が選ばれるという事です。
プーチン大統領は「ディレクト・ライン」にて仮想通貨に対して基本的には否定的な姿勢を見せながらも、ヨーロッパ諸国がロシアに対して行っている制裁回避の為に仮想通貨を利用する可能性を示唆しています。
ACRAは、投資リスク・ロシア中央銀行の規制の厳しさ・仮想通貨決済の導入率の低さ・通貨としての保証機能の低さの4点の問題を挙げて、ロシアで仮想通貨が普及する可能性に関しては低いと結論づけました。
但し、現在クリプトルーブルの発行は予定している為、今後のクリプトルーブルの普及次第では徐々にロシア国内での規制緩和に向かっていくかもしれません。
twitterの反応
去年、計画発表されていたロシア独自の仮想通貨「クリプトルーブル」は断念かhttps://t.co/ypY7JLtARi
— カズト / 仮想通貨 (@nomad_btc) 2018年6月11日
ツイッター上ではニュースに対する食いつきはとても良い印象ですね!
プーチン大統領はネットではやたらと愛されていますし(笑
クリプトルーブルの構想を発案したのはたしかプーチン大統領だったと記憶していますが、ロシア中央銀行が独自の仮想通貨発行に関しては難色を示しているという話をききます。
政府と銀行とで意識に乖離が見られている以上はクリプトルーブルの発行も一筋縄ではいかないかもしれません。
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