海外の仮想通貨取引所が攻撃を受け、1000万円程の仮想通貨「モナコイン」が消失した事件について6月1日にブロックチェーン推進協会が説明会を開き、カレンシーポート社の杉井靖典CEOが解説を行いました。
今回の説明で、モナコインへの攻撃をブロックチェーンのメカニズムを悪用した「二重払い」が原因と指摘し、「ブロックの確定に問題があった」「潜在的にブロックチェーンが抱えている問題を悪用した事件」とした上で、「ブロックチェーンそれ自体が改ざんされた物ではない」事件という事を解説しました。
更に、ブロックチェーンの合意形成メカニズムの解説で、「意見が分かれた場合、より長く伸びた方が正しいチェーンとして承認されて、短い方が無効になる」とし、今回の事件の問題は「ブロックの合意・決着を見誤った事が原因」と指摘しました。
取引所が、ブロックが拮抗した状態だったにも関わらず、正しいブロックの判断を誤り、無効になるはずのブロックで仮想通貨の交換・出金に応じたとの事です。
取引所はブロックの数に応じてブロックチェーンの合意形成を判断しますが、「モナコインを扱う取引所が行う確認回数が取引所によって異なり、最小で2回で承認する取引所も存在する。この確認の期間が長ければ事件は防げた」と取引所の不手際を問題視しています。
さらに今回の攻撃が成功した背景には、「ハッシュレートをオークションに出す事業者が出て来た」事も挙げて、仮想通貨全体の相場が下がった事で利益率のいいモナコインに移って来たという見方もあり、マイニングに必要な計算処理能力を集める手段が思いのほか豊富であるという見方をしています。
今回の事件はコインチェックの事件とは全く異質であり、「犯人が自身の口座から出金している」事から特定が容易で、入金の停止、口座の凍結等、様々な方法で回収は可能と指摘しています。
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