一般社団法人ニューメディアリスク協会主催で、金融庁後援の「仮想通貨・ブロックチェーンフォーラム2018」が11日東京で開催され、仮想通貨やICO(イニシャル・コイン・オファリング)に関するリスクが話し合われました。
みなし業者コインチェックのNEM流出事件をはじめとして、世界で発生している仮想通貨の流出事件や詐欺的なICO案件のニュースをよく目にする様になり、より強い規制が敷かれる等仮想通貨業界の成長を阻害されかねない状況になっていますが、フォーラムでは世界の潮流と同じようにICOの質の向上や、ブロックチェーンを駆使した優秀な案件が増えているという意見があがりました。
また、当然ながら日本でもICOが可能になる様な制度を作るべきという声も上がりました。
数年前とは違い、ICOがベンチャーをはじめとした企業のスタンダードな資金調達方法になりつつあります。
銀行やベンチャーキャピタル(VC)からの投融資は長い審査期間やプレゼン、資料作り等を経ても降りない事が往々にしてありる一方でICOでは比較的短く巨額の資金調達が可能で、迅速なプロダクトの着手や経営権を握られない等の利点があります。
一方で昨年からICOで得た資金を持ち逃げするケースが目立ち始め、計画が十分に煮詰まっていない等の理由で計画倒れになるケースが多い事も問題になっています。
ICOにはホワイトペーパーが存在はするものの、ホワイトペーパー通りに、そしてロードマップ通りに計画が進む方がレアケースです。
日本で規制の枠組みでICOのトークンを販売が出来ない理由は投資家の保護にあります。
規制の枠組み内でICOトークンのセールを行うにあたって重要なのは投資家の保護であり、並行してイノベーションを阻害しない為のバランスが求められます。
フォーラムの中で世界と日本では、トークンの議論をする際に論点が違う事について触れて、多くの国はトークンを「有価証券」として議論する事に対し、日本では「仮想通貨性」として見ているとしています。
世界ではICOトークンが有価証券になりうる性質があるか否か、当局に届けずに行う事が違法になるのかが争点になりますが、日本では世界で唯一仮想通貨性に基づいた「仮想通貨法」が存在する為、これがICOを考える際の軸になると同時に、海外ICOが日本市場参入に際してのハードルとなっていると指摘しています。
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