ウクライナのソーシャルネットワーク「ASKfm(アスク・エフエム)」が近々実施されるICOの宣伝が切欠で一人が亡くなりました。
フィナンシャルタイムズの記事によると、アスク・エフエムは「仮想通貨ファン」のタラス・ポズドニー氏、ローマン・ゴロデチニー氏、ドミトリー・セメンコ氏の三名がエベレストに登り、50万のASKfmトークンが入ったウォレットを山頂に置いて、同額が入ったウォレットをコンテストで提供するというイベントを主催していました。
この一風変わった宣伝はプロモーションビデオ化し、世界一高いトークンに備えよというメッセージを視聴者に与え、エベレスト山頂のウォレットは「勇気ある人」の物になるとしています。
アスクエフエムの広報担当者によると、エベレスト山頂のトークンは総額5万ドルの価値があるとし、その根拠は「プレセールとICO開始後に予想される価値」としています。
エベレストのブロガーであるアラン・アーネット氏が、ウクライナのチームがエベレスト山頂に到着した事をレポートで確認していましたが、記事には同行していたシェルパの一人であるラム・バブ氏が下山中に死亡した事が書かれています。
ラム・バブ氏の訃報は雪盲か肉体疲労によるものだと報じられており、フィナンシャルタイムズによれば、ウクライナチームの別の記事では次の様に書かれています。
次の瞬間-動物的恐怖に襲われ、僕はディマに向かって声を張り上げた-ここから出よう、出ないと、これが僕らが撮る最後の写真になってしまうぞ。この時点では、僕らのシェルパは3人が山頂にいて、ディマのシェルパがいるのを見た。結局、彼はキャンプへは戻ってこなかった
今年に入ってからICOによる資金調達が過熱していますが、その一方で今回の様な事故が起きるのは時間の問題だったのかもしれません。
4月には、ドイツのスタートアップが5000マンドルに及ぶ資金を持って失踪を装った宣伝を行い、Youtube動画を投稿し「高いICO水準」を啓発する為の戦術、と述べて不興を買う出来事がありましたが、本来の事業内容と全く重ならない今回の様な企画はICOが半ばお祭りやバラエティーの様な扱いになっており、不要な目立ち方を模索した結果起きた物とも言えます。
以前イーサリアムのヴィタリック・ブテリン氏が最近のICOに対して「魂が入っていない」といった趣旨の事を述べて懐疑的である姿勢を見せていましたが、図らずもそれが立証された形になったとも言えます。
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