ダイヤモンド業界の世界的大企業のデビアスがブロックチェーン技術を利用した高価なダイヤモンド100個の追跡に成功した事を発表しました。
追跡は鉱山から小売業者までで、デジタルによるダイヤモンドの追跡は今回が初めてとの事です。
デビアス社は新たなプラットフォーム「Tracr」を今年後半に立ち上げて、ダイヤモンド業界全体に開放をするとしており、この取り組みによってサプライチェーンの効率性を増やす事に加えて、デビアスのダイヤモンドが紛争ダイヤモンドではない事を顧客に理解してもらう事を目的として計画されたとされます。
*紛争ダイヤモンドとは、紛争やテロの違法な資金源にされる、紛争地域で採掘・取引されるダイヤモンドの事です
Tracrはデビアス社他5社が共同で開発したプラットフォームで、デビアスグループのブルース・クリーバーCEOは
Tracrプロジェクトチームはバリューチェーン内でのダイヤモンドの追跡が可能であることを実証した。これは以前には不可能だった方法での資産のトレーサビリティを保証する。これは業界の発展とイノベーションへのコミットメントを私達と共有する実証実験の参加者達の緊密な関与によって達成可能になった。意義深いブレークスルーだ…
と述べています。
Tracrはカラット・クラリティ・カラーと言ったダイヤモンドの特性を記録する固有のIDを割り当て、デジタル台帳に集約し、その後、鉱山から小売業者への移動の際、各チェックポイントでデータ検証を行いデータを追跡します。
紛争ダイヤモンドの取引を防ぐ取組は以前から国際レベルでは行われており、2000年の国連総会決議でキンバリープロセス認証制度がつくられており、法的強制力のある基準と証明をダイヤモンド業者に課しており、キンバリープロセスにより99.8%の紛争ダイヤモンドを阻止したとしている一方で、カナダのNGO「インパクト」は取り組みが不十分という事で2018年1月に制度からの離脱をしています。
Tracrと同様の取組は今年の4月にダイヤモンドと貴金属業界でも行われており、業界の透明性の向上を目的として、ブロックチェーンプラットフォームのトラストチェイン・イニシアティブの開発を目指してIBMと提携しています。
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