昨年から爆発的に増えた様な印象がある「仮想通貨に絡んだ犯罪」ですが、アムステルダムで開催されたカンファレンスにて、元アメリカ連邦検事であるメアリー・ベス・ブキャナン氏は「仮想通貨よりも法定通貨に関わる犯罪の方が圧倒的に多い」と述べました。
そのうえで、新興市場である仮想通貨につきまとう「マイナスイメージの払拭」の必要性について提言しました。
仮想通貨は取引履歴や情報の改ざんが出来ない「不可逆性」を追求して実現した発明でありますが、それに反して法定通貨よりも追跡しやすいという変わった特徴を持っています。
ブキャナン氏は、ブロックチェーン上での仮想通貨の流れを追う事が可能なツールの存在を強調し、その代表例としてEllipticとChainalysisをあげました。
こういったツールが存在しつつも、ブキャナン氏は法執行機関にはやり残したことが多く、それをインターネットの黎明期に例えています。
更に、後れを取らない為に、規制当局は業務の更なる改善の必要があることも加え、その理由をインターネットの存在しない20世紀前半に作られた規制が現在のイノベーションには全く適さない事が分かってきたためだと述べています。
現在は大手仮想通貨取引所である「クラーケン」の法律顧問を担ってきたブキャナン氏ですが、仮想通貨に対する評価は、価値の移転に関して効率の良いツールとして支持する立場を明らかにしています。
今後については銀行口座を持たない、持てない人々による普及が増加するにしたがい、仮想通貨ホルダーが増加する可能性についても述べています。
仮想通貨の利用者の25%は何らかの形で違法行為に関わっており、金額にして720億ドルほどの規模だとする一方で、法定通貨がドラッグに利用される金額はアメリカだけで1000億ドルという数字から考えるなら、単純な比較では仮想通貨で行われる犯罪は法定通貨に比べればはるかに軽微とも見て取れます。
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