スマートコントラクトが実装されたイーサリアムが発表されてから、数多くの分散型アプリケーション(DApps)が開発されていますが、今回はその中でも注目されており、ICOでも多額の資金調達に成功している3つを紹介します。
1:分散型予測市場「Augur(オーガー)」
Augur(オーガー)は、分散型予測市場を実現するプロジェクトで、参加しているユーザーが将来起こる出来事を予測してかけ金を設定、当れば報酬を受け取る事が出来るシステムです。
この予測市場の問題は「事実認定のプロセス」です。
AugurのICOで発行された「REP(Augurのトークン)」の保有者は賭けの対象である未来の出来事の結果について報告する義務があり、スマートコントラクトを通じて多数派の意見を事実とします。
この際、多数派に報酬を与え少数派にはペナルティを与えるというシステムの為、報酬を得るためには現実世界の結果と同じになる様に投票をする必要があります。
この様に、現実世界とブロックチェーンの外で起きた事をブロックチェーン上に記述する機能をオラクルと呼び、事実認定を受けた賭けの結果で得たお金の再分配もスマートコントラクトを用いて仲介者を置かずに実行します。
権利分配プラットフォーム「Singular(シンギュラー)」
Singularはコンテンツの配信をして、著作権者や関係者への正統な利益分配を目指す分配型アプリケーションです。
既存のコンテンツ配信は月額制やダウンロード販売となっていますが、再生回数等に基づいた正確なデータが無く、著作者への公平な収益が分配されているか不透明でした。
Singularを通じて配信されたコンテンツは再生回数・閲覧回数に応じて暗号通貨でユーザーに課金され、アーティストやエンジニアといったステークホルダーに、前もって設定されたスマートコントラクトを活用することで透明性を持った状態で配分されます。
計算ソリューション「Golem(ゴーレム)」
Golemは計算リソースのシェアリングエコノミーを実現するプロジェクトで、分散型のスーパーコンピューターです。
ユーザーは余っている計算リソースを提供し、必要としているユーザーが購入する事で計算リソースの補完が可能です。
シェアリングエコノミーによる受益者と提供者のマッチングが必要ですが、これまでは企業がマッチングを行っていた為、仲介手数料や価格に設定が企業主導であり自由に設定できないという問題がありました。
こういった問題をスマートコントラクトを利用して自動化し、価格が需要と供給に関係に即した形で決まります。
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