NEM(ネム)とは?
NEMはNew Economy Movementの略語で、意味は「新しい経済の動き」で、国や政府などの期間に縛られない新しい経済活動を目指す事を目標にしています。
初めての仮想通貨としてBitcoinが誕生して8年近く経ちますが、メリットだけではなく利用をした際の課題も出てきました。
NEM(ネム)のプロジェクトはこの新たに発生した課題を解決し、自由な経済圏を創出する事を目標にしています。
Utopianfutureというチームが2015年に開発・発表しましたが、このプロジェクトメンバーに日本人がいた事で、NEMは日本でも注目され、広く知られる事になりました。
NEMの仮想通貨単位はXEM(ゼム)と表記され、時価総額ランキングでは。上位5位以内に入っており、総発行量の8,999,999,999XEMは既に発行されており、投資家に均等に分けられています。
そういった事情からこれ以上コインが増える事は無く、取引承認による報酬は、取引手数料がそのまま報酬として支払われているため、NEMにはBitcoinに見られるような「マイニング」という承認作業は存在しません。
NEM(ネム)のPOIとは?
NEMはProof of Importance(プルーフ オブ インポータンス)を採用している事が最大の特徴です。
Proof of Work,Proof of Stake、Proof of Importanceは、それぞれブロックチェーン生成時に、各ブロックの承認者を決める方法に関係するアルゴリズムです。
NEMのProof of Importanceは他の二つに比べて非常に革新的と、注目を集めています。
ここで一度Proof of WorkとProof of Stakeについて見直して見ましょう。
Proof of Work
Proof of WorkはBitcoinやEthereumに使用されていますが、コインを稼ぐ為には高性能コンピューターを利用してマイニングをする必要があります。
コンピューターの仕事量(性能)が大きい程、通貨を稼げる可能性は高くなりますが、その結果Proof of Workはブロックを生成する為には、金銭・時間・労力
が必要になる仕組みになっています。
ブロックチェーンへのハッキングと言った攻撃も、膨大なコンピューターの性能が必要な為、ハッカーにとって割に合わない攻撃となり、ハッキングする動機を無くす事が目的でもあります。
しかし、技術が発展するにしたがって、マイニングに特化した高性能なコンピューターにお金をつぎ込んだ事や、それに伴う電力の大量消費により、一般のマイナーの参加は金銭的なハードルが高くなってしまい、限られた資産家だけがマイニングによって更にBitcoinを稼ぐ結果となり、報酬が偏ってしまった事によって、2009年に開始したBitcoinは、全体の1%の保有者が全体の80%程のBitcoinを保有していると言われています。
ちなみに、マイナーは中国人が大部分を占めています。
Proof of Stake
Proof of Workの問題を解決する為に採用されたProof of Stakeは、これまでのマイニングに代わり、計算量ではなく、コインの保有量を指標としました。
古くから、より多くのコインを持っている人が報酬を得られる仕組みにする事で、コンピューターのパワーを抑える事が可能で、Proof of Workの問題点でもあった「51%問題」に対して強力な効果を発揮するとされています。
51%問題とは、悪意ある個人やグループが、ネットワーク全体のマイニング速度の51%を支配し、不正取引・二重払いが可能になる問題です。
Proof of Stakeは他の保有者に比べて膨大なコインを保有する必要があるので、攻撃によるコストは計算量よりも高くなります。
また、多くのコインが攻撃されてしまうと、自身が保有しているコインの価値も下がってしまうことから、攻撃によるインセンティブもそれほどありません。
Proof of Stakeは51%攻撃のリスクが軽減可能だと期待されています。
問題点としては、Proof of Stakeも結局は資金力がある人に、より多くのコインを保有できる結果となるので、Proof of Workと同じように、一部の人々に報酬が偏ってしまいます。
Ethereum(イーサリアム)は現在Proof of Workを採用していますが、Proof of Stakeに移行予定です。
Proof of Importance
NEMが採用しているproof of Importanceは、持っているお金だけでなく、積極的にNEMネットワークを利用する人に報酬としてXEMが得られる仕組みです。
莫大な計算処理が不要で、大量の電力を消費する事も無いので、エコなシステムとして注目されていて、NEMネットワークに貢献さえすれば誰でもXEMが手に入ります。
Proof of Importanceは富の再分配や平等な機会であり、資金力がそれほど多くない一般人にも等しくチャンスを与える事にあります。
NEM(ネム)のハーベストって何?
Bitcoinは取引を承認した事による報酬でコインをもらう事をマイニングと呼んでいますが、NEMの場合はマイニングではなく「ハーベスティング(収穫)」と呼んでいます。
NEMの利用者は、取引が正当であることを承認してもらうために手数料支払い取引を行い、利用者のXEM取引通量がNEMネットワークに参加している人々に分配される仕組みとなっており、承認は10,000XEM以上持っているアカウントであれば誰でも参加が可能です。
高性能コンピューターが不要で、個人が所有しているコンピューターレベルでも十分報酬を得る機会があります。
NEMは、これは1分に1回行われていて、1分間に取引がなければ手数料が無い為、収穫をしたとしても報酬を受け取る事は出来ませんし、誰が収穫するかに関してもImportance(重要性)を元にしてアトランダムに選ばれる仕組みになっていて、Importanceが高いと判断されれば収穫出来る可能性が高くなります。
Importanceの判断は、XEMの所持量、取引した額や頻度等、文字通りNEMへの貢献により総合的に判断されます。
ハーベスティングを行う条件として「10,000XEM以上持っているアカウント」と書きましたが、これを満たしていれば必ず報酬が得られるわけではありません。言ってしまえばハーベストが可能になる権利を持っている、という事です。
また、Vested Balance(既得バランス)が10,000XEM以上必要ですが、これはその時の残高ではありません。
Vested Balanceは、1日毎に所持しているXEMに応じて10%が加算されていきます。
単純に所有しているNEMの残高ではなく、このBalanceが10,000XEM超えてから、ハーベストに参加が可能になります。
例えば20,000XEM持っていた場合は、
1日目:0
2日目:2,000
3日目:3,800
と言った様にVested Balanceが増えていき、8日目に10,000XEMを超えたところでようやくハーベストへの参加が可能になります。
ハーベスティングは資産があるからといってすぐに開始出来ない仕組みとなっているということですね。
1つのハーベスティングをするために、時間と資産をかける事でアカウントの大量作成による独占を防ぎ、ネットワークを安定させることが出来ます。
ハーベスティングは2種類
NEMには、PCの電源が入ったまま行うローカルハーベスティングと、PCの電源を落としてた状態でも可能なデリケード(委任)ハーベスティングの2種類の方法があり、委任ハーベスティングは自分のPCではなく、スーパーノードという任氏の上位ノードに作業を任せる事が可能です。
ス-パーノードとは?
スーパーノードとは、通常ノードの上位版で、NEMネットワークの中核を担うノードでもありますが、委任ハーベスティングを受ける存在でもある為、運用社は管理・監視を含めてセキュリティを徹底しなければなりません。
NEMのスーパーノードになるは、3,000,000XEM以上を保有していて、1日に4回行われる性能検査にクリアするという条件を達成しなければなりません。
言ってしまえば、NEMのスーパーノードには、応答速度・ブロックチェーンの最新状態の維持・秒間2000回のハッシュが可能・常時接続と言った完成度の高いシステムが要求されますが、その分スーパーノード運営者には通常よりも高額な報酬が与えられます。
NEMネットワークにとって、システムを維持する為の高度な性能を持っているスーパーノードは重要な存在であるという事です。
NEM(ネム)の特徴って?
価値が保たれている
NEMは発行時に、1500名に対してXEMを発行・配布しており、これ以上新しく発行される事が無い為、価値が下がりにくいと考えられています。
Bitcoinはマイニングの報酬として、新しくBTCが発行されますが、ハーベスト(収穫)は新たにXEMを発行するのではなく、承認してほしい人が承認者に手数料としてXEMを払っているだけなので、市場に流れているXEMの送料は8,999,999,999XEMで固定されています。
優れたセキュリティ
NEMはセキュリティにも優れています。
Bitcoinのマイニングには、合法なコンピューターだけではなく、ウイルス感染等を悪用して違法に接続された他人のコンピュータがマイニングに使用されている事があります。
NEMではこの様な違法を疑われるアクセスが起こらない様に、Eigen Trust++というアルゴリズムを採用して、セキュリティの強化を図っています。
Eigen Trust++は、ブロックを承認するノードを評価するシステムで、ノードがこれまで行ってきた動作の質を監視して評価します。
こうする事でハッカーが簡単にハーベストを利用出来ない仕組みにしています。
日本との関係
NEMは開発スタッフの一人に日本人がいた事で、日本との密接な関係があり人気が高い通貨となっています。
Zaif取引所の運営会社である「テックビューロ」が開発している、プライベートブロックチェーン「mijin」ではNEMの最新技術を使っています。
NEM(ネム)のカタパルトって何?
カタパルトは、NEMの機能をアップデートできるシステムで、Zaifを運営しているテックビューロ社と、NEMの開発陣チームが共同で開発した『mijin』というプライベートブロックチェーンを基幹技術とし、NEMに修正・改良を加えて開発したプロジェクトです。
カタパルトの技術がNEMに応用される事により、NEMの処理スピードの向上等大幅なパワーアップ、例えば1秒に4000件程のトランザクションが可能になると期待されています。
仮想通貨の中でもRippleの取引速度が速いと言われていますが、それでも1秒に1000件です。
データ容量が大きすぎて決済スピードが遅くなってしまう、スケーラビリティの問題もカタパルトが実装されれがクリアが可能です。
今後、カタパルトのリリースは2017年を予定しています。
NEM(ネム)の最新ニュース
・2017年12月 NEM China teamがWeChat対応のウォレットアプリを開発
中国の無料メッセージアプリWeChat(ウィーチャット)で利用できるウォレットのアプリの開発を発表しました。
12月21日から使用開始を予定しており、NEMアドレスとWeChatIDを紐づけして、友人間で手軽に送金が可能になる様です。
・2017年11月 COMSAが約109億円の資金調達に成功
NEMが採用されている「mijin」はCOMSAにも採用されています。
COMSAはトークン販売により、約9540万ドル(109億円)を調達しました。
・NEMの概要
発行日 2015年3月
トークン名称 XEM
総トークン供給量 8,999,999,999XEM
ブロックチェーン NEM
承認システム Proof of importance
開発者 Utopianfuture
公式サイト NEM公式サイト
ホワイトペーパー NEMホワイトペーパー
NEMの将来性
NEMは誰でも平等に機会を得られるように作られたシステムで、高いブロックチェーン技術や日本での人気で、今後国内では更に注目されると考えています。
報酬を得るのにマイニングが不要ということで、今後市場が大きくなり、価格が上昇する前に所有しておきたいですね。
実装予定のカタパルトのアップデートにも期待です。
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