着々とネットワークへの参加銀行を増やしているRippleですが、日本でRippleを送金手段として確保している人は恐らく少数ではないかと思いますが、Rippleの本業は迅速な国際送金を実現している企業向けITソリューションです。
銀行や金融機関、そしてペイメント事業者等を対象に、国際送金をはじめとしたペイメントサービスを提供し、そのライセンス料と利用に応じて売り上げを得ています。
そのサービスの一部に仮想通貨のXRPが利用されています。
Rippleのビジョンはインターネットでデータをやり取りする事と同じように価値、つまりお金を動かせるようにする事です。
SLUSH TOKYOの為に日本に訪れたリップルのステファン・トーマス氏は「リップルはエンタープライズ・ソリューション企業であり、ペイメントを劇的に改善することが使命である」と述べており、法定通貨やその他さまざまな決済方法を繋げる事で安全で確実、透明で高速で効率の良いプロセスの実現に向けて力を入れています。
このプロセスの一部でXRPが活用されていて、例えば日本からアメリカへの送金の際「円 > XRP > ドル」という具合に、XRPを挟む事で効率の良い送金を実現します。
リップルは現在のペイメントの実情については、トーマス氏は「酷い状況」だとしています。
「海外送金の12%が失敗している。宛先や名前など間違いがあれば届かないし、電話でやり取りすると間違いは多くなる。数日かかる海外送金でこれだけ失敗率が高いために、ある銀行でプレゼンしたとき、『リアルタイムで残高が分かるだって?』と驚かれた。そこの銀行では、PDFを電子メールして集計するという手作業で残高を計算していた」
と話しています。
つまり改善のチャンスがとても多いという事で、確実で効率よく送金が可能で、かつブロックチェーンの活用で可視化が可能なソリューションを得意分野としているリップルにとては単に国際送金以外のペイメントも狙っており、市場の将来性は高いと見ています。
Rippleネットワークへは既に3桁の国々の金融機関が参入しており、日本でもSBIとの合弁会社である「SBI Ripple Asia」がマーケティングを担い、61の銀行が加入しており、トーマス氏は日本のケースを成功例と評しています。
「ペイメントは、国や市場で異なり摩擦も大きく、それに対してアマゾンは300人の技術者で対応しているが、小さな会社に同じ事を要求するのは難しい。世界のあらゆるペイメントを高効率にしたい」とトーマス氏は話しています。
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