今日はJosh Nussbaum氏の書いた記事を紹介します。
世の中に沢山溢れている仮想通貨を様々な形で分類した記事なのですが、これが非常によくできています。
英語に自信のある方は是非一度目を通してください!
記事原文は こちら です。
ブロックチェーンプロジェクト分類
ブロックチェーン技術、暗号通貨、トークンセールといった言葉が以前に比べて多くの人に知られるようになりました。
わたしが暗号通貨業界にいる5年の間に、とてつもない速さで様々な分野にわたって技術は進歩しています。
起業家と投資家が、2012年頃から2016年頃まで市場を席捲していた、暗号通貨取引所、企業やプライベートブロックチェーン、ウォレットの様なスタートアップアイデアにようやく注目しはじめました。
その一方、Ethereumの開発環境の多様性はスマートコントラクトの開発を大きく前進させ、非中央集権的な構想のプロジェクトが既存の構造や仕組みにとらわれず世間に知られ、評価を得られやすい時代になりました。
消費者体験と既存のブロックチェーンの改善の2つの点で人々を興味を抱かせるプロジェクトがいくつも出てきていますが、多くのプロジェクトが世に出た事で、マーケットが急激に拡大し、各通貨のプロジェクトを追い続ける事が難しくなりました。
広い視野を失い、本質を見過ごす事態を避ける為に、わたしがチェックしているブロックチェーンベースのプロジェクトを整理し、深く分析してみようと思います。
この市場の相関図はその一例です。
それぞれのプロジェクトを本質を見失う事無くそれぞれのカテゴリーにまとめるのは簡単ではなく、中には”Fat Protocol”の様に定義づけが難しく、複数のカテゴリーに跨るであろうプロジェクトも存在しました。
各カテゴリにわけて説明します。
通貨
最初は通貨からです。
大体は、このカテゴリに該当するプロジェクトは、特定の使用例に関して既存の通貨を改善向上する為、例えば価値の貯蔵、流通貨幣、勘定単位などがそのケースに該当します。
通貨カテゴリでは、ビットコインが初期のプロジェクトとして他のプロジェクトに対して大きな影響を与えており、他の多くのプロジェクトはビットコインのプロトコルを基盤として、特定の用途に向けて動き出しています。
サブカテゴリの匿名性は、決済かベースレイヤープロトコルのどちらに落とし込むべきかもしれませんが、わたしは匿名性のカテゴリを分ける事にしました。
MoneroやZcashの様な追跡出来ない通貨、理由はどうであれ売買した物を知られない為、取引を隠そうとするユーザーや取引の機密を知られたくない存在にっとっては匿名性が非常に重要になるからです。
開発用ツール
次に開発者ツールのカテゴリです。
このカテゴリに属するプロジェクトの多くは、開発者が分散型アプリケーションを構築するために利用されています。
ユーザーがアプリケーション上のインターフェースを介して、プロトコルと接続できるように、現在ある開発用ツールの多くがプロトコルとの接続機能を証明する事を求められています。
Web3開発スタックの中でも拡張性と共通運用性に関するプロトコルの設計は、基幹技術となる開発分野でもあり、私見ではありますが、ここは知的好奇心や投資の観点から興味深いカテゴリの一つです。
ブロックチェーンの活用で、中央管理者にとらわれない仕組みの実現をした世界を目指しています。
Preethi Kasireddy氏の記事はその詳細を述べています。
例えば、Facebookが成長・拡大していく為には、ユーザー属性データを所持し、データベースを構築・活用していくことが必要な要素でした。
一方で、ブロックチェーンの仕組みは管理者を必要とせずに、代替する役割を期待されています。
さらにこれらのプロジェクトでは、いわゆる”勝者総取り”の様な発想が当てはまらない分野です。
例えば、分散型マーケットプレイスを構築するためには、スマートコントラクトの場合はEthereum、高速計算の場合はTruebit、プロキシの再暗号化の場合はnuCypher、セキュリティの場合はZeppelineOS、法律に於いてはMtterreumのような開発ツールのサブカテゴリを必要としますが、これらはプロトコルであり、データが集中する構成にはなっていないので、相互に通信する事が可能です。
また、相互運用によって、1つのアプリケーションから複数のデータや機能を共有することで、新しい使用例が生まれています。
フィンテック
続いてフィンテックですが、このカテゴリはとても分かりやすいです。
複数のプロトコルやアプリケーションと接続する際、多くのプロジェクトは独自の仮想通貨を作る事で新しい経済圏を生み出します。
複数の通貨を持つ経済圏では、ある通貨を別の通貨に交換したり、レンディングを促し、投資する為のツールが必要になります。
サブカテゴリの分散型暗号通貨取引所(DEX)は、本来開発者ツールに分類されていたのかもしれません。
プロジェクトの多くで既に0xプロトコルの統合が始まっており、私は近い将来0xプロトコルが主流になると期待しています。
膨大な数のトークンが存在し、複数のトークンを使用する様々なアプリケーションが作る経済圏においては、それらを使用する複雑さが抽象化されている場合にのみ実用が可能となります。
分散型取引所ならその便利さを提供する事が出来ます。
サブカテゴリのレンディングや保険は、リスクを集約する事でスケールメリットを出す事が出来ます。
これらの市場を開放する事で、人々がより大きな範囲で区分された個別基準での価格設定が可能となり、その結果として、理論上ではコストが下がる事でユーザーが市場で有利な構造になります。
ブロックチェーンは安定的で不変のため、過去の取引履歴はチェーン上に保存されており、これによってユーザーは個人の履歴を構成するデータが改ざんされていないと確信できます。
支配権
Blockstackのチームがホワイトペーパーで記載していますが、10年間で(ローカルで実行される)デスクトップアプリケーションは、リモートサーバーにユーザーデータを格納するクラウドベースのアプリケーションへと変化しています。
この様な中央集権化されたサービスは、ハッカーによる攻撃のしやすい対象であり、頻繁にハッキングされてきました。
支配権は、現時点では最も重要だと思うテーマです。
ブロックチェーンはスケーラビリティと運用の点で問題を抱えている物ものの、特定の第三者への信頼が不要な構造は、個人情報のようなセンシティブなデータを扱う時に、課題を上回るメリットをもたらします。
暗号通貨経済を通じて、ユーザーは個人や組織を信頼する必要はなく、むしろ人は正しく報酬を与えられた時に理性的に行動するという理屈に基づいて、信頼・行動する必要があるのです。
このカテゴリのプロジェクトは、ユーザーがどんな個人や組織への信頼を強制されず、むしろ暗号通貨や付随する系事件を通じて与えられる報酬を信頼する様な世界に必要な機能を提供する。
価値の交換
ビットコインプロトコルの設計は、ブロックチェーンの外で関係者間の信頼関係が無いにかかわらず、信頼性を担保できる点が重要です。
取引は様々な当事者によって行われ、データは改ざん不可能は方法で共有されています。
市場を通じて、個人が製品を手配するためのコストが企業で手配するより大きい場合、個人は個別に組織を編成するという考え方が広がってきています。
しかし、もし人々が互いを信頼することなく、特定の”組織”に属することができればどうでしょうか?
ブロックチェーンと暗号通貨の経済学を通じ、信頼を発展させる時間と複雑さが抽象化され、多くの人々が従来の企業の階層構造とは関係なしに、そのような共通利益を共同で共有することができます。
仲介者と貸出希望者は、注文を維持し、安全を維持し、P2Pマーケットプレイスのルールを実施するために必要悪となる存在です。
しかし、多くの分野において、これらの暗号通貨の経済システムはその信頼に取って代わることができ、仲介者とその手数料を削減することでユーザーは圧倒的に低いコストで商品やサービスを交換することができます。
サブカテゴリ内のプロジェクトは、代替可能なものと代替不可の2つのグループに分けることができます。
交換可能な商品やサービスの交換を可能にする市場として、ストレージ、コンピューテーション、インターネット接続、帯域幅、エネルギーなどがあります。
暗号通貨の経済システムが拡大するにつれて、これらの製品を販売する企業は置き換えられてしまうかもしれません。
潜在的な供給源を開放し、不特定多数がネットワークに参加できるようになることで、面倒な作業がなくなり、手数料は減るでしょう。
代替不可能な市場にとっては、同じメリットはないが、提供者は、仲介者が自分が得るべきと考える利益よりを取ったあとの残った利益よりは多くの利益を自分の製品やサービスに通じて獲得することができます。
データ共有
データ共有のモデルを考える上での一例として、航空業界のグローバルな流通システム(GDS)をみていきましょう。
GDSは一元化されたデータの倉庫で、すべての航空会社が提供サービス、ルート、価格を含むすべての情報を最適に調整するために在庫のデータ(予約可能な席情報)を入力しています。
GDSによりカヤックや他のブローカーのようなサービスの集約を生業となるものは、ユーザー自身が取引できるシステムを構築することで、既存の旅行代理店にとって代わることができたのです。
これまで中間ブローカーにとって魅力的な市場は、直接的に競合するには大きな参入障壁が生じていたましたが、技術の進歩によって、参加者、関連するメタデータ、消費者の嗜好を集約する仲介者に新たな参入動機を生じさせました。
ブローカーによる価値提供よりも、ブロックチェーンベースのプロジェクトによって提供される経済的なインセンティブを通じて、データを提供している個人や企業によって数多くの市場を開放しようとする最も影響力のある技術的な変化を私たちは目の当たりにしています。
2015年ハンター・ウォークは、過去10年間の最大の欠点は、eBayがP2P取引の中心にある第三者に評判システムを公開しなかったことだ、と書いています。
私はさらにこれを一歩踏み込んで、eBayの最も価値のある資産は、長期間にわたって構築された評判データであり、ユーザーのロックインを強制し、eBayの安全のためのユーザーに対して高い使用料を課すことで彼ら自身があたかも安全かのように振る舞っているということであると考えています。
データ共有のブロックチェーンプロトコルでは、ユーザーは他のアプリケーションがデータ共有プロトコルを通じて相互に接続することで参入障壁を減らし、結果として競争が激化し、開発のペースが上がっています。
データ共有プロトコルについて、例としてPremise Dataのような集中化された企業をみてみましょう。
Premise Dataは、30カ国以上の特定の食べ物/飲料の消費から特定の地域で使用されているもののデータを収集するネットワークを展開しています。
同社は機械学習を使用して見解を導き出し、これらのデータをさまざまな顧客に販売しています。
データを収集する人を見つけて雇うのではなく、誰もがこのデータを収集して共有し、データに注釈を付け、異なるモデルを構築してデータから見解を導くことができるプロジェクトを始めています。
企業がネットワークのデータと見解を購入するためにトークンを使用し、協力者はトークンを得ることができます。
また、トークンは利用されればされるほど価値が上がります。
理論的には、市場が情報の流通率を設定し、協力者をその貢献度に応じて補うので、多くの人が協力し、高品質のデータが集まるでしょう。
「オープンデータプラットフォーム」は数年前から一般的なスタートアップのアイデアであり、いくつかの企業がこのモデルで大きな成功を収めているため、同様に可能性のある分野です。
ただ、私はセールスとビジネス開発に課題があると考えています。
これらの企業のほとんどが大規模な組織にデータを販売しているので、分散型プロジェクトが今後どのように発展していくのかが楽しみです。
経済が民間企業では機能しないことを前提に、これまで不可能だったり、独立した民間組織として利益を上げる機会もあるでしょう。
信頼性
最終的には、暗号通貨は特定のブロックチェーン固有のデジタルな資産に過ぎず、現実の商品(公平性のあるチケットなど)やデータを表すためのデジタルな資産としてこれらの暗号通貨は使用されるでしょう。
パブリックブロックチェーンの不変性により、ネットワークの参加者は、書き込まれたデータが改ざんされたり変更されたりしていないこと、そしてそれが将来ずっと利用可能であると確信しています。
したがって、これまで詐欺で流行していた商品市場や機密データにとって、ブロックチェーンを使用してデータの完全性を保証することは重要なのです。
まとめ
今前d触れて来た全てのカテゴリに渡りイノベーションは起きていますが、わたしが一番注目しているのは、Web3.0の開発要素を含んだプロジェクトが実際に始まっている事です。
それらのプロジェクトとは異なるユースケースに備え、ユーザーのデータコントロール、価値の交換などで機能的に実現しています。
私見
様々なICOが登場しており、それら全てを個別に追う事はこんなんで、こういったグルーピングが役に立てば良いと思い翻訳しました。
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